遺体現象

□死の定義□
死は回復不能な代謝機能の停止、体内で起こる化学変化
死の判定は、医師におって行われ死の三徴候の不可逆行停止をもって死と判定している。
■死の三徴候■
①呼吸停止
②心臓停止
③瞳孔散大・対抗反射消失
人間個体の死:生物学的に考えると、人間には二つの死が存在する
①人間個体としての死
②人体内にある各個別組織としての死
②の組織の死は、生命が存続している間にも起きる
※例:壊死
また、①=②ではない。
個体として心停止などが起こり、死の三徴候により死亡の認定がされたとしても
全ての細胞が死を迎えている訳ではなく、個体の死後もそのご遺体内の組織が生きている
限り、ウィルスや細胞は感染する可能性は続く。
遺体現象は個体死後から始まる人体の物理的・化学的・生物学的変化の総称であり、
早期遺体現象と晩期遺体現象とに大別される。
その区別は必ずしも厳格ではないが、一般に自家融解および腐敗が関与して
生ずる現象を晩期遺体現象と呼ばれる。
遺体現象は法医学的には死後経過時間を推定する上で重要であり、また死因や死亡の
種類を判断するのに有用な情報を与えることがある。
ただし、これらの遺体現象の進行は遺体がおかれた状況に大きく作用されることに
留意する必要がある。
□早期遺体現象□
①変色(死斑)
血流停止後の重力による血管内において、血液の就下が体表面から観察される状態
◇発現部位
基本的に部位を問わずご遺体が安置されていた姿勢における下面に現れる。
固い面に接触している部位、あるいはきつい衣服を着用している部位など、
血管が圧迫されている部分には変色が現れない。
◇色調
最も一般的な色調である暗紫赤色の他、鮮紅色(一酸化中毒)、鮮赤色(寒冷曝露等)
緑褐色(硫化水素中毒・腐敗)。
◇発現時期
死後2時間で観察できるようになり、8~12時間で色素定着が最大となる。
この後、ヘモグロビンは毛細血管の外へ漏出し始める。(浸潤性変色)
◇死斑の移動
理論的にはヘモグロビン(色素)が毛細血管内にとどまっているうちは、体位を変換
すれば、新たな下部組織に移動する。実際にはおよそ4~5時間以内であれば完全に
移動するが、それ以後では2つの下部組織に発現する。(両側性死斑)。
早期の死斑は、一種の充血状態であるので発現部位を指等で圧すると消退するが、
上述のようにヘモグロビンが血管外に出ると消退しにくくなる。
死後24~36時間を経過すると指圧によっては